moto-toyoda.net TopPage>Traveling Diary>2006/05/06 | |||||
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2004年から2005年にかけて、愛知万博(愛・地球博)に絡んで、名古屋周辺では、最近では希に見る勢いで鉄道ファンの興味をひく新路線の開業などが相次いだ。以前、あおなみ線の一部区間だけ乗車したが、今回、ゴールデンウィークの機会を利用して、名古屋に泊り掛けで、その辺の路線を調査しようと思った。 …が。 大学入学直後にひいた風邪が長引き、このゴールデンウィーク中も微熱や頭痛連発。こんな状態で無理して旅行して悪化したらマズイので、日帰りに方針変更。さらに後ろに日曜を置いて、一日ゆっくり休んでから元の生活に戻そうと考え、その日を5月6日土曜日に決定、早速駅へ近鉄特急券を買いに行った。 そう、今回の旅の目的には「アーバンライナーネクストの乗車」もある。プラスは前に乗った旧アーバンライナーと変わらないし、折角乗るならネクスト、そう思ったのだ。 2006年5月6日、大和八木駅。 前から乗ろうと思っていたアーバンライナーネクスト。しかし、たまに検査入場の関係でプラスが代走することもある。それだといやだなぁ…と危惧しながら電車を待つ。 そしてやってきた、あの独特のVVVFインバーターの音を持つアーバンライナー・ネクストが。 早速乗車。するすると動き出して、名古屋までの約1時間30分の無停車時間を味わうことにしよう。 2003年のダイヤ改正以降、近鉄特急で自動放送が廃止されたとかいう噂を聞いていた。それ以前に、私はアーバンライナーで名古屋まで行ったことがあった。その時、あの関西圏おなじみの男性(津田英治さんだったかな?)の、温もりある声の自動放送&有名な童謡などの一節をアレンジした車内チャイムに感動した(んな大げさな)ことがあったが、それがもう聞けないの…?と思うと少し寂しい感じもした。 が、それは杞憂だった。発車直後、「お待たせいたしました 近鉄特急をご利用いただきまして ありがとうございます…」という、あの声が聞こえてきた。しかもネクスト(新車)だから音質もクリア。この声が聞ける、ということは、あの車内チャイムも聞けるということだよね…?よかった、よかった。 大和朝倉を通過すると、列車は一気に山中へ分け入る。ここから約40分間、電波圏外のエリアになるという。かつて車内の公衆電話が当たり前だった頃は、その旨伝える自動放送もあったが、携帯電話が当たり前となった今回は、もうその放送も聞けなかった。試しに、40分で伊勢中川まで行けるのか、時計で時間を見てみようと思った。 ![]() 車内のモニターは上のような感じ。割とモニターに近い場所の席だったので、モニターに映る前面展望と横の車窓を眺めながら、新緑の山の中を、列車は非常に心地いいスピードで駆け抜けていく。私の隣の席は空席。名古屋まで止まらないということで、横には誰も座らない。そこに荷物を置いて、フットレストに足を預ける。なんだか贅沢な気分に浸れるってのもいいよね。 乗車率も割と中程度で、落ち着いた車内の中で、お客さんも思い思いのことをしている。車窓を眺めている人もいるし、イビキかいて寝ていた人もいたし、名古屋に着くまでずっとお喋りしていた人もいた。楽しい旅で、友達と楽しくお喋りというのも、またいいことじゃないですか。最近の新幹線みたいにやたらピリピリしたビジネス列車ではできないことよ。まぁそこが名阪近鉄特急の新幹線に対抗する売りらしいけど。 赤目口で一端車窓が開け、名張盆地に入る。程なく名張を通過すると、前のモニターに「ただ今名張駅付近を通過中です」と表示された。この特急のコースが全路線図と共に表示され、今列車がどの辺まで来ているかが一発でわかるというスグレモノ。新幹線でしか見たことのないこの機能が、まさか近鉄特急にまで普及していたとは!! さて伊勢中川のあの短路線に差し掛かったあたりで時計を見ると、先ほど大和朝倉を通過した辺りからほぼ40分。ちなみに同じ区間を快速急行で走ると、大抵1時間程度かかる。名張〜榊原温泉口間を各駅に停車するうえ、ほぼ必ずといっていいほど特急の退避で長時間停車するので、余計に時間を取ってしまう。折に触れて言っている通り、私は同じ区間を走るなら、各駅停車でノロノロ行くより、優等列車でさ〜っと行くのが好きなので、この辺だけは特急を使っても致し方ないかな、と自己完結してしまう(汗) そうそう、このとき、中川駅の方を見ると、名古屋方面への普通列車が信号待ちで停車していたよ。お先に失礼、と言う感じでなんだか優越感があった(笑) 名古屋線に入って再びスピードを出す。津を通過するときに、宇治山田行きの急行とすれ違った。前4両は2600系(確か)をL/Cカーに改造した車両だったが、後ろ4両を見て愕然とした。車両番号を見ると「9001」。名古屋線・大阪線の車両番号は1000・2000番台が基本(とはいえ奈良線に1026系など1000番台のVVVF車が入るなど、その原則も崩れつつあるけど)で、この9001-9101の2両編成も、もともとは奈良線にいたもの。それが最近の9020系の投入で奈良線を追われ、名阪線系統に入り、旧型車両を置き換えたらしい。同じ現象が8810系にも起こっているらしいが、こちらはまだ確認していない。 ところで、以前私はこんなことを聞いたことがある。 「名阪ノンストップ特急は、中川短路線上で運転士と車掌が交代する」 低速とはいえ、走行しながら交代するらしい。そんな芸当できるのだろうか。私はいささか信じがたかったが、確か八木に列車が入線する時、チラッと見えた運転手は、夏服の開襟シャツ姿。そして八木発車時に乗務していた車掌さんは、その夏服の上から上着を羽織っていた。その車掌さんは、青山トンネルを通過したあたりで何かを持って前のほうへ行った。そして列車が名古屋線に入った頃、車掌さんが入ってきた。その車掌さんは半袖一枚だった。「まさか」とは思っていたが、どうやら本当のことらしい。 桑名の養老線ホームに、旧カラー・マルーンレッド一色の美濃松山行きが停車していた。あれは何かのイベント列車だったのだろうか…?詳しく調べていないからわからない。 以前私が乗ったときは、車窓にセントラルタワーズが見え出した近鉄八田付近で名古屋到着の車内放送がかかったように記憶している(高架化工事の真っ最中だったかな?)。そして今、高架化された近鉄八田駅を通過したが何の前兆も無い。そのまま米野駅を通過し、右手にJR東海名古屋列車区を見る。列車がまさに名古屋の地下トンネルに入らんとしたその瞬間、あのメロディが流れた。 ♪この道は〜 いつか来た道〜 あぁ〜そうだよ〜 お母様と〜馬車で行ったよ〜 「まもなく 名古屋、名古屋に到着いたします この電車はこの駅まででございます…」 いつ聞いても涙が出るわ(笑)旅情たっぷりの名古屋到着放送前メロディ「この道」をアレンジしたもの。 鉄音好きの私にはたまらんぜ、こりゃ(笑) なお私は、今回の旅で絶対聞こうと思った鉄音が5つある。まずこの「この道」であり、名鉄特急のミュージックホーン、名鉄名古屋駅独特の駅員放送&ベル、JR名古屋駅の独特のベル&オバサン声の放送、そして近鉄名古屋駅・特急発車メロディ「ドナウ川の漣」。どれも名古屋で無いと聞けないメロや放送。まず1つ消化。 名古屋駅に到着。すぐ隣のホームに、すぐに発車する鳥羽行き特急が停車していた。そこでホームにしばらく残って、その発車メロディを聞くことにした。駅員さんがやたら「鳥羽行き特急発車しまーす!」と放送を入れたが、それでもフルメロ聞けた。ってかフルメロ流れるんだけど。 さて運転席から降りてきた運転手さん、その人は夏服の上から上着を羽織っていた。名古屋線内で車掌さんだった人が上着を持っていた記憶は無い。やはり中川短路線で交代するらしい…その特急に乗っていたと思しき親子連れが、列車をバックに記念写真を撮っていたら、その運転手さんは子供に自分の帽子をかぶせてあげるサービスまでしていた。いいねぇ、やっぱりこういう旅気分って。 |
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