moto-toyoda.net TopPage>Professional Baseball Game Report>2006/04/23
豊田元広の野球観戦日記
'06観戦日記第3章「"儚い"役者欠け観戦会」
あぁ、儚い観戦…

2006年4月23日 大阪ドーム オリックス【先発:川越】VSソフトバンク【先発:杉内】

福岡ソフトバンクホークス内野手、フリオ・ズレータ。
2003年、日本シリーズ第一戦で、阪神・安藤からサヨナラタイムリーを放った男です。
ファンサービスの精神も強く、カメラに向かっての「パナマウンガー、ヨカロウモン!」の掛け声や、
ヒーローインタビューでの「福岡最高バイ!」「絶対アリカメナイ!」発言は記憶に新しいところです。
さらに子供好きでもあり、子供病院を訪ねて、難病と戦う子供たちを見て、人目もはばからず涙したというエピソードも残っています。


しかし一方で、乱闘をしょっちゅう起こすことでも有名です。
特に有名なのが、2004年9月9日、福岡ドーム(当時)でのロッテ戦で、ピッチャー・セラフィニ(当時)のすっぽ抜けた球に腹を立て、乱闘騒ぎとなり退場処分となったものです。

2006年4月16日、福岡Yahoo!JAPANドーム、対日本ハム戦。
この日までに、ズレータは上に述べたような乱闘騒ぎで、過去3年と少し在籍する中で、合計5回退場処分を受けました。そしてこの日。ピッチャー・金村のデッドボールに腹を立て、金村を殴りつける騒ぎに。この事件で負傷した金村の出場選手登録が抹消されるという事態に。また球団側も、6度目となる暴力行為による退場処分を重く見て、10試合の出場停止処分及び100万円の罰金という、昨年ヤクルト・藤井投手を殴って退場処分になった中日・T.ウッズ並に厳しい処分を受ける事になりました。

そしてその「10試合」の中には、今回のオリックス戦も含まれているのです。

さてオリックス。
4月1日、スカイマークスタジアムで行われた対日ハム戦後、清原選手は足を痛めて欠場が続きました。
前回(4/2)の観戦後、私ではない影の存在・豊田元浩がこんなことを言った記憶があります。

3週間後(4/23、対ソフトバンク)にまた来てあげるんだからねっ!
それまでに足治してなさいよっ、
バカーーーっ!!!

ふつうに考えたら、3週間あれば、足は治ります。
というか、治りました。東京ドームの日ハム戦では、不振の中村に代わって4番を張るように。



…が。

4月20日、東京ドーム、日本ハム対オリックス、1回表バファローズの攻撃、打席に清原。
先発ピッチャーはダルビッシュ有。


ダルビッシュの投球が、清原の左手を直撃
「左手第5中手骨の打撲で
全治3週間」と診断。

3歳になる清原選手の息子さんが、
泣きながら、病院へ向かう清原を見送ったという…





「故意を感じた死球に対しては、
命を懸けてマウンドに突っ走ってそいつを倒したい。」

この試合後、このようなことを述べて、清原は怒りをあらわにしました。



結果、この前日に行われた対ソフトバンク戦でも、清原は欠場。
まあ、なんということでしょう。
東京で復帰した時、「今度は絶対清原が見られるはずや」と確信していたのに、
その直後に再び事実上の戦線離脱。今日も半ば諦めモード。呪ってやる、ダルビッシュぅぅぅ〜〜〜(違

あぁ、儚い。

この間は、清原と言う大事な役者が欠けたと言ってましたが、
今回はさらに、ソフトバンクからも、ズレータという大事な役者が欠けてしまうという事態に。
しかし毎年恒例(?)の、
「豊田元広・大阪ドーム対ホークス戦にへ強制連行されるの巻」
第3弾となる友人2人との観戦会が行われる事に。

地下鉄は相変わらずの大混雑。大阪ドーム前千代崎駅も、電車がつく度に階段に人が溢れていた。
例によって、中に入れば二階席強制連行。
今回は三塁側、比較的見渡しの良い、下のような位置を確保。



両軍とも役者は欠けていますが、とりあえずスタメン発表だけ聞く。

「1番、Left Fielder, Yoshitomo Tani! No.10!」
昨日DHの谷がレフト。と言うことは、DHは別の人…?

「4番、Third Baseman, Norihiro Nakamura! No.8!」
4番はノリか。ちなみにこのときまでの打率は.167
もはや「儚い」とか言ってる場合ではない。


「5番、First Baseman, Hirotoshi Kitagawa! No.23!」
ファーストはやっぱ北川だよな。
手ぇ怪我してるのに、守備なんてできるはずないしな。
ってことはDHだ、誰だ?


「7番、
DH, Karim Garcia! No.28!」
そうか、やっぱりガルシアか。

ダルビッシュに告ぐ。
「アンタ、おぼえときなさいよ(怒)」

ソフトバンク オリックス
8 大村 7
6 川ア 6 阿部
7 カブレラ 8 大西
DH 松中 5 中村
9 柴原 3 北川
3 吉本 4 水口
4 本間 DH ガルシア
5 松田 9
2 山崎 2 日高
杉内 川越


さて杉内対川越といえば、昨年のソフトバンク−オリックスの試合でも見た対決です。
このときのオーダーと少し見比べてみましょう。

ソフトバンク オリックス
9 柴原 6 塩崎
7 宮地 4 水口
5 バティスタ 8
DH 松中 DH ブランボー
2 城島 9 大西
3 ズレータ 3 北川
4 カブレラ 7 下山
6 本間 5 嶋村
8 大村 2 日高
杉内 川越


さらに、ソフトバンクの打線について昨年と比較。
2005/5/3 2006/4/23
9 柴原 8 大村
7 宮地 6 川ア
5 バティスタ 7 カブレラ
DH 松中 DH 松中
2 城島 9 柴原
3 ズレータ 3 吉本
4 カブレラ 4 本間
6 本間 5 松田
8 大村 2 山崎

昨年は川アが抜けていた、今年はズレータが抜けているという特殊な事情はありますが、
4番・松中以外は打順が大幅に変わっています。
昨年までは、「MJZ砲」と呼ばれたクリーンアップがホームランを打ちまくって勝っていたという感じでしたが、
今年からは攻守の要・城島がいません。
また、そこそこホームランも打っていたバティスタを解雇し、新人・松田を起用するという思い切った策に。

日本が初代世界一となったWBCでも、王監督が掲げていた「スモール・ベースボール」。
WBCメンバーで言えば、イチローや西岡・川アといった面々が、エンドランやスチールでかき回し、
繋がりのある打線でコツコツ点をとっていき、
少ない得点を硬い中継ぎ投手陣と堅い守備で守りきるという、まさに「日本の野球」。
王監督は、今年のソフトバンクにもこの「スモール・ベースボール」の展開を理想としていたようです。
しかしやはり城島の穴は大きく、キャッチャーのリードや盗塁阻止の面でも難があり、
さらに川アが帰国後ヒジを痛めていたためしばらく欠場するという、ここにもまた大穴が。

でも川アは帰ってきました。これで理想の「野球」に近づくことができるのでしょうか。

この後、私は通路上にあるKFCで昼食を買いに出ました。
ところが、列が途中で止まって動きません。


チキンが売り切れて、下の店から揚がったのを
持ってくるのを待っていたがため。



この間にアナウンスが。
「只今より国歌の独唱を行います
選手・コーチ・スタンドの皆さんは、センターの国旗にご注目ください
本日担当してくださるのは、
吉幾三さんです!」


おいおいおいおいおい!!!
早く持って来いやゴルァ(゚д゚)!!
このチキン野郎!!!
(意味違う)

なんかバファローズにメッセージも言っておられました。しかし見られず。あぁ、儚い。


それどころか。まだ並んでいる最中なのに、
「1回の表、ホークスの攻撃は、
1番、
Center Fielder, Naoyuki Ohmura! No.1!」


スタンドからあのトランペットの音が聞こえてきた。
♪鍛え上げられた その足で 踏み出せ核弾頭〜

わーーーーーーっ!!
♪らーらーららーら
♪らーらーららーら
♪らーらーららーら らーらーら
♪らーらーららーら
♪らーらーららーら
♪らーらーららーらーらー

(ホークスの3・3・7拍子のBGM「線路は続くよどこまでも」の一節)


おいおいおいおいおい!!!
早く持って来いやゴルァ(゚д゚)!!(再)


2番、Short stop, Munenori Kawasaki! No.52!
やっとこのあたりで順番が周ってきた。
慌てて近くの通路からスタンドへ。

なんとか信彦・柴原の連続タイムリーは見ることが出来ました。
しかしこの間にね、カブレラの狭殺逃れとか面白いものがあったみたいで…
あぁ、儚い。


例によって今回も割と投手戦。
試合が動いたのが3回裏、打席には迎。


かきーーーーーーーーん!!
レフトポール際に飛び込むソロホームラン。
正直、このときの率直な感想。
「誰に打たれとんねん、杉内よぉ!」
あぁ、儚い。



その後、なんやかんやで、中村まで打席が回ってきます。
しかしこの時点で打率1割6分台(注:4番打者)
あぁ、儚い。


日本に帰ってきた今年から、新しい応援歌が使われています。
ところが、この打席では、
♪我らの期待を そのバットに乗せて ミラクルアーチを 決めろ紀洋〜
かっとばせー、のーりひろ、
ソフトバンク倒せー、オゥ!

なんと近鉄時代の応援歌&掛け声採用。
これは何の意味があったのかな…


5回にもソフトバンクはさらに1点を加えます。

…が、6回裏のこと。

打率.163の儚い4番打者、
中村紀洋にソロホームランが。


あぁ、儚い杉内、儚いノリのソロ。



さて、6回裏ですから、風船飛ばしの準備を始めます。
去年買った風船が2本余ってたので、それを持ってきました。
2アウトになるまでは膨らませない主義の私。
それまでは風船を良く伸ばして、膨らみやすいようにしておきます。

ぎゅー…
ぎゅー…




ビリッ!!!


おいおい、これじゃ膨らませられないよ!
「ゴムは破れちゃ使い物にならない」とかいうネタ発言はおいといて、
もう1本の風船を用意。それを良く伸ばして膨らませる準備をします。



そしていよいよ2アウト。
一気に風船に空気を入れ始めます。


ぷー…
ぴゅーー…











ボカン!!!!!

前にいた観客の方、耳元ででかい音、すいませんでした…


緊急事態、風船がなくなった!!
慌てて予め用意していたオリックス用ジェット風船を用意。
それも使う機会が少なそうな「勝利時用赤風船」を利用。


黄色い風船が飛び交う中に、
明らかに目立つ赤い風船がドームの中を飛び回っていった…


あぁ、儚い。





7回表。先頭の松田が内野安打で出塁、続く山崎がバント成功。
ここでピッチャーが菊地原にスイッチ。

でも止まらない打線。
大村がタイムリー、川アが内野安打、
さらにカブレラのツーベースでもう1点。
信彦敬遠の後、柴原に変えて打席には井手正太郎。
ここでピッチャーが萩原に代わります。

ストレートのフォアボールでさらに1点。
チャンスは続いてましたが、吉本がゲッツーで7回表終了

あぁ、儚い。



その裏。
突然ガルシアにホームランを打たれます。
そして谷にツーベースを打たれたところで、

「ホークスのピッチャー、杉内に代わりまして…吉武
Pitcher,
Shintaro Yoshitake! No.34!」



劇団吉武団長キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
そういえば苺みるくさんとはどうなりました?(禁句)

杉内の出したランナーは阿部真宏のタイムリーで返し
自分は
自責ゼロでこの回を切り抜けます(笑)


さてこのとき、3番・大西のところに平野恵一が入りました。

さて、バッテリー・加藤/日高及びDH・ガルシアを除いたラインナップを見てください。(上の写真)
何か感じませんか?

ファースト…北川
セカンド…水口
サード…中村
ショート…阿部真

レフト…谷
センター…平野恵
ライト…迎


そう、
内野が旧バファローズ陣
外野が
旧ブルーウェーブ陣で固められているのです!
去年はノリがいませんでしたからね、ここに塩崎が入ったりしたので実現しなかったのです。

8回裏途中から三瀬が登板。
前に私の前でサヨナラ打たれた人です。
でも苦手な大西はもう下がってます。さぁ、がんばれ店長!


杉内の後を受け好投した二人  左:吉武 右:三瀬



さて9回裏。
前の回から引き続いて、三瀬がマウンドへ。
ストッパー・馬原の出番は今日はなさそうです。


最後のバッターとなった谷の打席。
ちょっとベンチの方を見てください。何か見えませんか…?


拡大。

見えたーーーーーーーー!!!

1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
ソフトバンク 2 0 0 0 1 0 3 0 0 6
オリックス 0 0 1 0 0 1 2 0 0 4
【負】川越→菊地原→萩原→加藤
【勝】杉内→吉武→【S】三瀬

【ホームラン】
迎ソロ 中村ソロ ガルシア ソロ



ヒーローインタビューは、猛打賞のタコさん大村でした。

いつものような「魔の9回症候群」は無かったにしろ、
結構緊張感のある試合でした。
ソフトバンクも、去年みたいに主軸のホームランで点数を荒稼ぎするという打線ではなくなり、
山崎が結構多くやったバントのように、1点をコツコツとって行く打線に変わりました。


前回「調子がよくなったかも?」と言ったオリックスは、
あの後再び調子を落としてしまいました。
この文章を書いている4月27日現在、清原は一端復帰しながらも、
再び足を痛めてスタメンから外れると言う日々が続いています。
今度の試合では絶対清原を見たい。全力で彼を応援したい。それが私の願いです。


…ホームランと言えば。
過去3試合、私が大阪ドームでダイエー→ソフトバンクを応援した試合では、
どの試合でも松中信彦様がホームランを打っていたのです。

今日も少し期待しました。
しかし結果は、タイムリーはあったものの、ホームランは出ず。
ここに、「私が見れば信彦がHRを打つ」というジンクスが崩壊しました。

あぁ、儚い…

で、ドームと地下鉄大阪ドーム前千代崎駅との間に止まっていた車に、
清原の等身大(?)パネルが置いてあって、並んで撮影ができるようになっていた。






えい。(さすがに顔を出すのはマズいんで、顔部分はイラストで代用してます)

(撮影:今回同行した友人の片方)


か、勘違いしないでよねっ!
後の二人にノセられたからやってるんであって、
別に自分からやろうと思った
わけじゃないんだからっっっ!!





こんなネタで満足してる自分が、いちばん儚い…orz





ここで、最後に、再び豊田元浩さんから言いたいことがあるそうです。





・・・・・・



・・・・・・・・・・・・


いつかまた来てあげるんだからねっ!
そん時には手足治してなさいよっ、
バカーーーっ!!!

・・・また言ってみたかっただけですorz


オマケ:打席に向かう時、「ガッチャマン」のテーマをかけることでおなじみ、奇跡を呼び込む男・北川博敏
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